CT検査

CT検査とは

CT(Computed Tomography:コンピューター断層診断装置)は、身体を輪切りにした断面図画像を撮影できる検査機器です。
360度方向からX線を当て、人体の断面図を撮影できます。これにより、通常のレントゲン検査や超音波検査では発見が難しい病巣の有無を効果的に調べることができます。特に胸部(心臓・大動脈・気管支・肺など)、腹部(肝臓・腎臓など)を詳しく調べるためには不可欠な検査です。

当院のCT検査の特徴

より精緻な検査が可能

CT検査当院では最新のマルチスライスCT「Revolution ACT」(米国GE社)を導入しております。高感度型フルデジタルパネル検出器を採用しており、これまでのCTに比べ検査時間が短く、より高画質な画像を撮ることができます。

短時間で撮影・低被ばく

短時間での撮影が可能となったことで、撮影条件の厳しい方や長時間姿勢を保つことが難しい高齢者、身体的な障害をお持ちの方でも撮影がしやすくなりました。また、水晶体や甲状腺・乳腺等の被ばく感受性の高い臓器の表面被ばくを低減する技術を搭載しています。

遠隔読影が可能・最短2時間でレポートの返却

レポート返却当院では放射線専門医による遠隔撮影が可能です。総合病院におけるCT検査と同様に主治医と放射線専門医が診断することで、総合病院と同等レベルの診断体制を整えております。また最短2時間でレポートの返却が可能で、スムーズな検査体制を整えております。

CT検査で見つかる疾患

頭部領域

頭部外傷

外傷による硬膜外血腫、くも膜下出血などを診断します。具体的には階段から落ちた・何らかの事故で頭部をぶつけた・頭部をぶつけた後に頭痛がする・吐き気があるなどの症状がみられる場合に検査を行います。

くも膜下出血

くも膜下出血は、脳を保護する3層の膜(外側から「硬膜」「くも膜」「軟膜」)のうち、くも膜と軟膜の間から出血することで生じる疾患です。これまで経験したことのないほどの激痛が突然起こります。直ちにCT検査での診断が必要です。

脳梗塞・脳出血

脳内の血管が詰まる・出血することによって起こる疾患です。主な症状は手足の力が抜ける、ろれつが回らない、めまいなどです。心臓の不整脈が原因の場合もありますが、いずれの場合においても早期に受診し専門医療機関での治療が必要です。

脳腫瘍

慢性的な頭痛・吐き気・めまい・目が見えにくい、二重に見える、耳が聞こえづらいなど腫瘍のできる場所によって異なる症状を起こします。いずれの場合においてもCT検査を行い、正確な診断を受けることがおすすめです。

硬膜下血腫

過去の比較的軽微な頭部外傷が原因で、脳の外側に出血した血液が徐々に溜まっていく疾患です。高齢者に多く、頭痛、物忘れ、歩行障害など認知症に似た症状を引き起こします。外科的治療が検討されることがありますが、完治できる疾患です。

副鼻腔炎

蓄膿症(ちくのうしょう)と呼ばれる疾患です。主な症状は鼻詰まり・後鼻漏(鼻水がのどに落ちる)・鼻水・頭痛・発熱などですが、眼の周囲に痛みが出る場合もあります。CT検査で炎症による液体の溜まり具合やそれに対する治療効果、ポリープの有無などを診断できます。

慢性中耳炎

音が聞こえにくい、聞こえないなど主に難聴の症状が起こります。悪化すると顔面神経麻痺を併発することもあります。CT検査で鼓膜や耳小骨の状態を診断できます。

胸部領域

肺炎

胸部レントゲンでは異常がなく、咳や痰が多い・熱(微熱)などの長引く風邪の症状がみられる場合は肺炎の恐れがあります。CT検査は肺炎の診断には非常に有効で、肺炎の分布や程度が詳細に確認できます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

喫煙歴がある方に多く見られ、すぐに息切れがする、慢性的な咳や痰など喘息と似た症状が起こります。呼吸困難を引き起こす恐れのある疾患です。当院ではCOPDの程度を鮮明な画像で診断できるため、適切な処置が可能です。

肺がん

日本におけるがん患者のうち、肺がんの死亡者数は男性で1位、女性で2位と非常に多くの方が肺がんで亡くなっています。初期段階では全く無症状ですが、進行するにつれて血痰や腹痛、また肺炎のような症状が出ることがあります。CT検査で早期発見、正確な診断が可能です。

大動脈瘤

全身に血液を運ぶ血管である大動脈が肥大してこぶのように膨らんだ状態です。胸部レントゲンで大動脈の大きさの異常を指摘され、その後の精密検査で発見される場合があります。多くは無症状ですが、放置すると時間の経過とともに徐々に増大し、破裂すると命に関わることがありますので、適切な治療が必要です。

腹部領域

慢性肝炎、肝硬変 肝炎ウィルス感染

主な原因はアルコールです。初期は無症状や倦怠感、進行するにつれてむくみや黄疸が出現します。肝臓がんや食道静脈瘤などの合併症を引き起こすこともありますので注意が必要です。CT検査で診断が可能です。

膵炎、膵腫瘍(すいえん、すいしゅよう)

胃の後方に位置する膵臓は、食べ物の消化を助け、血糖値の上昇を防ぐ役割を担う重要な臓器です。膵臓が炎症を起こす、腫瘍ができることにより背中の痛みをなどの症状が現れます。また膵臓で作られる消化酵素やホルモン分泌異常によって下痢が長く続く、糖尿病の悪化などの症状がみられる場合もあります。

尿管結石

激しい背中の痛みや、血尿を引き起こします。痛みが治まったり痛み出したりを繰り返すのが特徴です。CT検査では、結石の場所、尿の停滞、残った結石がないかを調べることが可能です。

腹部大動脈瘤

無症状の方がほとんどですが、放置すると破裂する危険があります。高血圧や動脈硬化が原因と考えられており、CT検査での診断と経過観察が必要です。

胃や腸の炎症や腫瘍性病変

胃や小腸、大腸の炎症の有無や、その程度について評価ができます。 また、微細な腫瘍については判定困難ですが、ある一定の大きさになっている腫瘍性病変は判定可能です。

その他

骨折

レントゲンでは確認が難しい骨折、肋骨や手首、膝などの骨折の確認にCT検査は適しています。また脊椎の圧迫骨折も診断できます。

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

加齢などが原因で神経の通る脊柱管が圧迫されることで起こる病気です。痛みやしびれといった症状を引き起こします。CT検査では骨の変形の程度、脊柱管狭窄の有無を診断できます。

検査の種類

頭部CT検査 病変の場所、大きさ、障害の範囲、良性か悪性か調べることができます。外傷によって生じた頭蓋内の血腫、脳腫瘍、水頭症など先天性の脳疾患の検査を行います。
頸部CT検査 首やのどの病変を調べる検査に用いられます。特に超音波検査や内視鏡検査では確認が難しい咽頭、喉頭、甲状腺、扁桃腺、頸部リンパ節などを詳しく検査できます。また頸部の組織や臓器がどういう位置関係にあるかを確認するためにも用いられます。
胸部CT検査 呼吸器疾患で肺や気管、気管支などの状態を検査する、あるいは胸部臓器の腫瘍の確認のために用いられます。確定診断のための生検を行う際に、CT検査で病変を確認しながら組織を採取することもあります。
腹部CT検査 腹部臓器の肝臓、腎臓、膵臓、胃、大腸、子宮、卵巣などを原発とする悪性腫瘍がないか、腹部臓器やその周辺の炎症の有無、リンパ節移転の有無などを確認することができます。消化管穿孔、胆石・胆嚢炎、膵炎、黄疸、尿路結石、解離性大動脈瘤、腫瘍の可能性が疑われる場合にも腹部CT検査を行います。

検査が受けられない方

  • 心臓ペースメーカー(一部)や埋め込み型除細動器をご使用の方
  • 妊娠中あるいは妊娠している可能性がある方

費用

  1割負担 3割負担
頭部CT検査 約1,300円 約4,000円
頸部CT検査 約1,300円 約4,000円
胸部CT検査 約1,300円 約4,000円
腹部CT検査 約1,300円 約4,000円

※こちらの料金は目安となりますので、詳細は当院までお問い合わせください。


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